「松田聖子に憧れて」第六話
「はい、ムメリケ祭神ですけれども。」松井は言う。
「こちらこそありがとう、おいしそうなナツメグね。」松浦が言う。
江戸川は白痴のふりをして、はさみで自分の陰毛を切っている。
三人が集まったのは、平成三年一月十七日。だいぶ寒くなってきた。
結果的に計画は大失敗に終わってしまった。何故かといえば(理由は数え切れないが)、三人とも寝坊したことに有る。松井は二時間、松浦は25分(化粧が長い)、江戸川は山手線を恵比寿で降りるはずが二周してしまい、西日暮里で気がついた。
午後11時25分。ようやく全員集合。
[持ち物]
松井:地雷、スティックのり、お弁当(チャーハンとサラダ)、象の革で作ったタンクトップ、CD(松田聖子『BIBLE』)、原爆、母からの手紙。 以上
松浦:マッキー四本(茶、緑、白、肌色)、コンドーム(必需品)、香水、CD(松田聖子『BIBLE』)。 以上
江戸川:エロ本(もちろんホモ雑誌も中には数冊入っている。)、布、CD(松田聖子『BIBLE』)。以上
衝撃的な結末は期待してはいけない。いつだって現実はガチンコファイトクラブ以上につまらない。ありえないことは始めから起こらない。起こったらありえているから。
「(この時間になって、急に自慰行為がしたくなってきた。。)」松井。
「(SEXしたいなぁ。できないなら死にたいなぁ。。)」松浦。
「地球を真っ二つに切って、地球の真ん中にあるキャビアを食糧難のアフリカの子にあげたいと思う。上手くいけばいいけど。」江戸川が言う。
ちょうどその時、多国籍軍がイラクに空爆を図り、戦争が開始した。
つづく